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歯科医が教える、歯のかみ合わせで起こる体の不調とは?

2016年8月19日更新 | 3,367 views | お気に入り 344

皆様、歯の悩みはございますか?  1位は圧倒的に「歯の色」なのです!
そして「歯並び」や「歯のかみ合わせ」も「歯の色」と同様に、比較的歯の悩みの上位に入ってきます。もちろん歯並びが悪いと、かみ合わせにも影響してくるわけです。
今日はそんなかみ合わせについてお話ししたいと思います。

1.直接的な影響

まず、歯のかみ合わせが悪いとご飯が食べにくくなります。これは皆さんにもわかりやすいと思います。
かみ合わせの当たらないところは噛みにくく、かみ合わせの強いところは歯や歯茎が痛み、歯が欠けてすり減りやすくなっています。
すると、噛みにくかった食べ物は、あまり咀嚼(そしゃく)されずにお腹の中へ入っていきます。そうすると消化が悪くなり、栄養不足や肥満などの原因につながります。

2.周囲への影響

実は、かみ合わせは口や消化器系以外の体調不良の原因ともなっています。
かみ合わせが悪いと歯ぎしりをしやすくなります。いや、歯ぎしりをすることによってかみ合わせが悪くなることも多いでしょう。
歯のかみ合わせの悪さが原因で、歯ぎしりや日頃の食べ物の咀嚼などの負担が、周囲の筋肉等に現れてきます。

(1)顎関節(がくかんせつ)への影響

顎(あご)の筋肉が痛むと、顎を開け閉めする際に音が鳴ったり、痛みが出たりします。さらにひどくなると顎が開かなくなります。このような症状をまとめて「顎関節症」といいます。

これはかみ合わせのみが原因ではなく、頬杖をつくような生活習慣やストレスによるものなど、複合的な原因が考えられます。しかし、かみ合わせが重要な要因のひとつであることには間違いありません。

(2)頭部への影響

かみ合わせを司る筋肉には、側頭部から始まっているものもあります。ここにかみ合わせの異常な負担が加わると、頭痛として認識されます。
これが「片頭痛(偏頭痛)」の原因のひとつと考えられています。

ここにストレスや化学物質などの誘発因子が複雑に絡み合って症状が起きます。とかく化学物質の摂取などが片頭痛の主要な要因と考えられがちですが、歯科医師から見ると「左右の噛み方が違えば片側的な痛みを誘発するのは当然」だと考えます。そしてほとんどの人が左右均等でなくどちらかに偏った咀嚼をしています。そのせいで、人は思った以上に左右で違う顔をしているのです。

(3)全身への影響

全身は口腔内と密接なつながりがあります。かみ合わせが悪くなれば全身の骨格的に影響を与えますし、姿勢が悪ければかみ合わせや歯並びにも影響が出ることも多いのです。

このようにして長期的なかみ合わせの不良が、肩こり、首の痛み、腰痛などの全身の痛みを引き起こす原因となることもあるのです。

3.神経やメンタルへの影響

全身に与える骨格的な影響以外に、痛みが出る、つまり神経的な影響も出てきます。手腕のしびれ、耳鳴り、めまいなどもかみ合わせが影響していると考えられます。

 

さらに、不定愁訴(ふていしゅうそ)の原因であるとも言われています。

これは「頭が重い」「イライラする」「疲労感が取れない」「よく眠れない」などの体調が悪いという自覚症状はあるのですが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態です。このような精神的な症状には、複合的な原因・誘因的な要素が関係してきますので、原因をひとつに絞ることがそもそも困難です。また花粉症、アトピー、アレルギーの原因もあると考える医者もいます。

こうなると「全ての疾患はかみ合わせが原因みたいじゃないか」と思われるかもしれません。それだけかみ合わせは、全身の健康と深いつながりがあるのだと考えていただければと思います。

4.かみ合わせの治療

かみ合わせが原因と考えられる症状・疾患を挙げていきましたが、上記の症状にはかみ合わせ以外の原因も複合的に関わっていることが考えられます。

もちろんかみ合わせだけでそれらの疾患が全部解決できるわけではありません。しかし、かみ合わせを改善することで、驚くほど多くの症状の改善が見られる事例があることは事実です。

真面目な歯科医師に多いのですが、かみ合わせを治せばすべての疾患が治ると言ってしまう方もいらっしゃいます。

しかし、上記のかみ合わせが関係するといわれる症状・疾患は原因が複合的であることが多いので、かみ合わせの治療だけで全てを治そうとすることは危険です。

考えられる様々な原因を洗い出して、可能なものからひとつずつ改善していくのが近道だと思われます。その中のひとつの選択肢として、歯科分野における治療を適宜選んでいただければよいのではないでしょうか。

(1)マウスピース(スプリント)による治療

まず考えられるのがマウスピースによる治療です。

マウスピースと呼ばれる樹脂製の緩衝材を上下のかみ合わせの間に入れる治療法です。上下の歯が強く当たらなくなりますので、当然ですが筋肉や神経への過度な刺激が少なくなります。マウスピースは激しい接触があったり、力を入れる際に歯を食いしばりがちなスポーツなどでもよく使われています。

マウスピースによるかみ合わせの改善で通常以上の力が発揮できるようになり、集中力が向上したということも認められています。

 この治療法は歯を削ったりしないので、身体の負担にならず、また歯の型をとるだけで簡単に装置が作れて、それなりに効果も出やすいという良い点があります。

しかし、原因を根本的に解決するものではないため、マウスピースをはめた時だけ症状が緩和するといった、効果が一時的なものになってしまうことがあるという欠点もあります。

(2)補綴(ほてつ)治療

次に補綴治療です。これは歯を削って被せ物をすることで歯並びを整え、かみ合わせを治すというものです。

これは、マウスピースとは逆にかみ合わせ自体が改善するので、うまくいくと体調も改善されます。しかし、かみ合わせに伴う体調不良はメンタル的な要素なども複合的な原因となっていたりするので、補綴をしたところで改善しないことも多いのです。だから、原因が確定していないにも関わらず補綴治療に入ることは非常に危険です。

例えば、かみ合わせから来る不定愁訴の改善のために補綴治療に入ると、歯を削っても改善せず隣の歯も削ることになり…全ての歯を削っても症状だけが残る、なんてことになりかねません。

(3)姿勢咬合(こうごう)治療

そこで近年注目されているのが、かみ合わせにつながる姿勢・生活習慣自体を改善し、それによってかみ合わせや体調を治すという姿勢咬合治療です。

かみ合わせ・咬合というのは上顎骨、下顎骨、歯周組織等の限られた組織のみで作られるものではありません。

全身の健康状態がかみ合わせにつながり、かみ合わせは全身の健康につながるということを考えれば、限られた口腔内の治療のみでかみ合わせをコントロールできるものではないことがわかります。

姿勢・生活習慣の改善は、成人だけに対して行われるものではありません。むしろ幼児や乳幼児の姿勢・生活習慣を改善していくことによって、その後の成長発育さえある程度コントロールできるのです。

歯並びを治す矯正治療も幼児の頃からの生活習慣、座り方、歩き方、睡眠時の枕、目線、口の閉じ方などを気を付けることによって、口腔組織の適切な成長を促すことが可能となりますので、かみ合わせや歯並びさえもキレイにすることができます。矯正とはワイヤーで作られるものという常識さえ過去のものとなりつつあります。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

かみ合わせの不良というものが単に美容的な美しさにとどまらず、全身の健康を左右するものであるということがお判りいただけたかと思います。

綺麗であるということは健康的な生活、健康的なかみ合わせによって支えられているのです。皆様も健康的なかみ合わせで、美しさを手に入れていただきたいと思います。

著者情報

歯科医師、アイドルプロデューサー デンタルビューティーサロンPureCure院長

本記事は、2016年8月19日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。