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もう脇汗と脇のニオイで悩まない!ベストなセルフケアとは?

著者情報

美容外科医・美容皮膚科医 品川スキンクリニック表参道院 院長

2017年5月31日更新 | 5,198 views | お気に入り 98

はじめに

暑い時期や緊張した時に気になるワキの汗。
シャツへの汗ジミが気になったり、白いシャツだと黄ばんだり、ニオイも気になりますよね。

本稿では、これらのしくみと対策について解説します。


筆者の勤務地である表参道

脇汗とは?

脇汗には2種類の汗が出ます。

ひとつは水のような汗。
さらっとしていて無色です。エクリン汗腺から分泌されます。
分泌されたばかりの時は無臭ですが、皮膚の表面で時間が経つと細菌により分解され、異臭を放つようになります。

もうひとつは粘っこい黄色味がかった汗。
アポクリン汗腺から分泌されます。衣類が黄ばむ原因になります。
また分泌された直後は無臭ですが、タンパク質や脂質がふくまれており、これらが酸化されたり、細菌によって分解されると割と早い段階からツーンと鼻をつく異臭がします。こちらがワキガの原因です。

汗が多い人と少ない人の違い

エクリン汗腺からの汗は体温が高い時にでる温熱性発汗、精神的に緊張した時にでる精神性発汗があります。脇や手足など全身ではなく限られた場所の汗が多い状態を局所性多汗症といいます。

通常、エクリン汗腺の近くまで自律神経のひとつである交感神経が伸びてきて、その末端からアセチルコリンという物質を放出します。これがエクリン汗腺にはたらきかけ発汗が起きるのですが、多汗症の人ではこのアセチルコリンに対する反応がオーバー過ぎるのです。

ワキガ

アポクリン汗腺の分泌が通常よりも多いと、いわゆるワキガとなります。
日本人は欧米人よりもワキガの人口は少なく、約1割程度との報告があります。ワキガの原因物質としては低級脂肪酸、揮発性硫黄化合物、揮発性ステロイドなどが指摘されています。

根本的に解決したい場合にはアポクリン腺を破壊、もしくは取り除く外科的手術になります。

自分でできるセルフケア

朝シャワー

まず汗をかいて時間が経てば経つほど、エクリン汗腺、アポクリン汗腺いずれからの汗も臭いが増すので、朝、出勤や通学の前にシャワーを浴びるのが良いでしょう。

ワキ毛の脱毛

これはセルフケアの範疇を超えるかもしれませんが、ワキ毛は脱毛しておいた方が良いです。毛があるとそこを足場に細菌が増殖し、ニオイが増します。

よくワキ毛を脱毛してから脇汗が増えた感じがするという声を耳にします。いわゆる脱毛後多汗症ですが、医学的には検証されていません。
脱毛をしたことにより、毛に汗が留まらず、タラーッと垂れるからそのように感じるのではないかと推測されています。

関連記事:美容皮膚科医が解説!ムダ毛処理にまつわる基礎知識

デオドラント剤の種類

ワキの多汗症やワキガのセルフケアにおいてデオドラント剤は大きなウエイトを占めます。一概にデオドラント剤といっても様々な種類があります。汗の分泌を抑える制汗剤、分泌された汗を吸収する吸湿剤、臭いのもととなる細菌を殺菌する殺菌剤、臭いを消す消臭剤があります。

代表的なものを以下挙げてみます。

デオドラント剤①塩化アルミニウム

汗の分泌を減らす制汗剤です。塩化アルミニウムが頻用されます。
塩化アルミニウムがアルミニウムイオンに分解され、これが汗に含まれるたんぱく質と反応し、汗の通り道に蓋を作るため、一時的に汗が出にくくなると考えられています。

パースピレックスが有名ですね。
パースピレックスはワキ用(ロールオンタイプ)と手足用(ローションタイプ)とがあります。前者は塩化アルミニウム濃度が10.27%、後者は25%です。手足用をワキに用いると濃度が濃く、刺激が強くてかぶれる可能性があります。

使い始めは連日使用しますが、効果が安定するようになると、3~5日間、汗が抑制されます。 


パースピレックス(ロールオンタイプ)

デオドラント剤②ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)

前述のアルミニウムによる制汗作用に加え、殺菌作用や消臭作用があります。

実はこのミョウバン。
古代からローマ人が制汗剤として使用しており、世界最古のデオドラント剤とも呼ばれています。スーパーなどで数十グラム100円程度で入手できます。

数十グラムのミョウバンをペットボトルを用いて500~1000 ccの水に振って混ぜ、一晩、冷蔵保存するとお手製のミョウバン水の出来上がりです。
これをワキに塗って制汗剤とすることもできます。

デオドラント剤③塩化ベンザルコニウム

ワキの皮膚の常在菌のジフテロイド菌がアポクリン汗腺から分泌された汗のタンパク質や脂質を分解して臭いを発生します。

塩化ベンザルコニウムはこのジフテロイド菌を殺菌するはたらきがありますが、効果の持続が短いという欠点があります。

デオドラント剤④銀

銀イオンは+に帯電しており、皮膚の常在菌は-に帯電しています。
そのため銀イオンは皮膚の常在菌を不活化します。

銀単独では作用時間が短いため、ゼオライトにくっつけた銀含有ゼオライトのパウダーが用いられています。

デオドラント剤の剤形による違い

様々な剤形がありますね。効果や持続性が強い順に、クリーム、スティック、ロールオン、スプレーなどがあります。ワキガの程度が著しい場合にはクリームやスティックタイプが望ましいです。

しかしベトツキ感や衣類に付着して汚れてしまうという欠点もあります。
ワキガの程度が軽度であれば、スプレーやロールオンタイプでもよいでしょう。

美容医療とセルフケアを上手く組み合わせて

ワキガ、多汗症いずれも症状が著しい場合には、セルフケアではカバーしきれないこともあります。

そうした場合、ワキガであれば手術、多汗症であればボトックス注射などの手段があります。美容医療とセルフケアを上手く組み合わせて利用すると良いですね。値段は自由診療の場合、アラガン社のボトックス注射は数万円、ワキガの手術は20~30数万円ほどです。

本記事は、2017年5月31日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。