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背中ニキビをどうにかしたい!医師が教えるニキビの原因と改善方法

著者情報

美容外科医・美容皮膚科医 品川スキンクリニック表参道院 院長

2017年7月25日更新 | 3,017 views | お気に入り 32

はじめに

夏になると背中が開いた服装になったり、海やプールに行ったり、それまであまり気にならなかった背中が気になるようになりますね。

また夏でなくてもパーティーなどで背中の開いたドレスを着る機会もあります。顔と比べて意外とノーマークな部位ですし、なかなかセルフケアしにくい部位ですね。本稿では背中ニキビについて解説していきます。

背中ニキビの原因

ニキビというとアクネ菌が原因と思われることが多いですが、実は背中ニキビの多くは、マラセチア(Malassezia)という真菌(カビ)が原因です。カビと聞くとショッキングかもしれませんが、多かれ少なかれ、皆さんの皮膚に常在菌として存在しています。

皮膚の毛包といって毛穴の奥の袋のようになっているスペースに存在しています。普通に存在しているだけであれば問題ないのですが、毛包で増殖し、炎症を起こすと背中ニキビの原因になります。

マラセチアによる背中ニキビはマラセチア毛包炎と言います。
マラセチア毛包炎は背中のみならず、胸、肩、上腕にも起きえます。マラセチアは脂質を好みます。毛包には皮脂腺という脂質を分泌している腺から伸びている管が開口しています。

この脂質の分泌が多い人は、マラセチア毛包炎になりやすいです。マラセチアによる皮脂の分解産物が炎症を起こしたり、体が増殖したマラセチアを異物と捉えて排除しようと免疫反応として炎症が起きたりします。

マラセチア毛包炎の特徴

赤みのある皮疹である点はアクネ菌によるニキビと同じですが、マラセチア毛包炎による皮疹の特徴としては、光沢があってぶつぶつした感じが特徴的です。

ひとつひとつの皮疹の大きさはほぼ均一(直径2~3 mmほど)である点も特徴的です。痒みはあったとしても軽度であることがほとんどです。前述のようにマラセチアは皮脂を好み、また湿気の多い環境を好みます。

そのため季節的には夏季に圧倒的に起きやすく、夏期ざ瘡(ざ瘡はニキビという意味です)とも呼ばれます。皮脂の分泌がさかんな思春期にできやすいです。

マラセチア毛包炎の予防

本症は前述のとおり、夏期のような高温多湿の状況で起きやすくなります。なるべく蒸れない服装、汗をかいても速乾性のある服装をした方が良いでしょう。またボディーソープには抗真菌薬が含まれたものも市販されています。
持田ヘルスケアのコラージュフルフル液体石鹸など)

背中ニキビが出来やすい方は抗真菌薬が含まれたボディーソープを使ってみるのも手です。

マラセチア毛包炎の治療

前述の予防法を行っても背中ニキビができてしまい、1~2週間様子をみても改善しないようであれば、医療機関を受診しましょう。

医療機関では、まずその皮疹がニキビなのか、ニキビ以外の皮膚疾患なのか鑑別します。ニキビであれば、マラセチア毛包炎か、通常の顔などのアクネ菌が原因のニキビなのか判断します。その上でマラセチア毛包炎と考えられる場合には、下記のような治療を行います。

抗真菌薬であるイトラコナゾール(カプセル薬)を内服します(保険医療機関であれば保険適応。)
1~2ヶ月程度内服すると軽快することが多いです。同じく抗真菌薬で外用薬を用いることもあります。ケトコナゾールのクリームまたはローションを外用しますが、こちらはマラセチア毛包炎に対する保険適応がありません(同じマラセチアが原因で起きる癜風には保険適応があります)。

イトラコナゾールおよびケトコナゾールは医療機関での処方箋なしには基本的には入手することはできません。海外からの輸入代行のサイトもありますが、薬剤の品質上の問題などありますし、医療機関を受診した方が早く、結果としてリーズナブルです。

様々な皮膚炎に用いられるステロイド外用薬(医療機関で処方されるものもあれば、ドラッグストアで市販されているものもあります)はむしろマラセチア毛包炎を悪化させてしまうことがあるため、塗ってはいけません。

マラセチア毛包炎が落ち着いたら

抗真菌薬でマラセチア毛包炎が沈静化しても、皮脂が多い状態であれば、再発することもあり得ます。そのため背中の皮脂が多くなりすぎないようにケアをすることも必要です。

皮脂はストレスや寝不足、生活習慣の乱れで多く分泌されます。
また乳製品は摂りすぎないようにし、野菜もしっかり摂りましょう。皮脂の分泌を適度に抑えるはたらきのあるビタミンB群やCを内服薬もしくはサプリメントで摂取するのも良いでしょう。(内服薬は医療機関で処方されます。サプリメントはドラッグストアで購入できます。)

背中に直接、ビタミンCをイオン導入やエレクトロポレーションで導入したり、サリチル酸マクロゴールなどのケミカルピーリングを定期的に行うのもお勧めです。

マラセチア毛包炎の痕が残ったら

炎症が著しかったり、長期にわたって存在した場合、茶色いシミのような色素沈着が残ることがあります。この部分はなるべく紫外線を浴びないようにし、摩擦も加えないようにしましょう。

その上で、ビタミンCやトラネキサム酸の内服(ビタミンCやトラネキサム酸の内服薬は医療機関で処方されます。ビタミンCのサプリメントはドラッグストアで購入できます。
トラネキサム酸が含まれている風邪薬や肝斑の薬はドラッグストアで購入できますが、トラネキサムサン単独の内服薬は医療機関での処方となります)、ハイドロキノンやルミキシルの塗布(ハイドロキノンやルミキシルは美容皮膚科などで購入します)、肝斑などの治療にも行われるレーザートーニングなどを行ったりします。

おわりに

顔は毎日、鏡で見ますが、背中は他人には見られているものの、自分自身ではケアが疎かになりがちな部位。どんなに高価な時計をしていても靴が汚れていたら、魅力がダウンしてしまうのと同じく、どんなに美人な顔立ちでも、背中が汚かったら魅力も減ってしまいます。
今日から背中にも気遣ってもらえたらと思います。

本記事は、2017年7月25日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。