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発達障害ってなに?種類や症状について

2017年1月20日更新 | 3,013 views | お気に入り 300

発達障害は、生まれつき脳の機能自体に障害があります。目に見えた障害ではありません。時には本人の意思とは無関係でありながら、衝動的な行動や奇声、一見すると自分勝手と思われがちな行動が見えることもあります。それゆえに社会の中で生きにくさを感じたり、周囲に理解を得ることができないなどの新たな障害を生んでしまうこともあります。ただ、最近では、発達障害を取り巻く環境は少しずつ変化しつつあります。周囲の人たちがもっと発達障害について知り、私たちは発達障害とどのように付き合っていけばよいのかを考えることは、発達障害がある当事者だけでなく、一緒に社会を形成する私たち一人ひとりが生きやすくなるヒントとアイディアの素になるかもしれません。

発達障害とは?

画像出典元:http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html

発達障害とは、次のように分けられます。

1)広汎性発達障害(PDD)

広汎性発達障害は、次の3つの領域に症状がみられます。

社会性(対人関係の構築)
興味や活動(興味の対象が極端に狭い。こだわりが強い)
コミュニケーション(他人とコミュニケーションを取るのが困難)

広汎性とは『広く行きわたるさま。力や勢いの及ぶ範囲が広いさま。』(goo国語辞書より)つまり、ある特定の部分のみの発達障害ではなく、広い範囲での発達障害を意味します。広汎性発達障害は、認知機能や知的機能が発達はするものの、その遅れが広く、進み具合が遅い症状を言います。コミュニケーションを取りにくく、ある特定の物事や活動に興味を持ち始めると、こだわりが強いのが特徴です。一度こだわりを持つと、他の状況が見えにくくなるため、集団生活が困難なけいこうにあります。

自閉症

上記、広汎性発達障害の3つ全ての特徴が見られます。最近では自閉症スペクトラムという呼び方もありますが、この2つは同じ意味です。急な予定変更や、初めての場所への適応が難しいという特徴があります。このような場合、不安から大声や奇声をあげたりする行動が見られます。一方、自分がよく知っている場所やよく知っている人達の中であれば集中してなにかに取り組むことができます。一つのことが気になると、こだわりが強くなり、自分が納得するまでは他のことに目がいかなくなります。

自閉症アスペルガー症候群

広義では、自閉症の一つとされています。知的機能の発達はふつうです。認知能力もふつう、もしくは、やや遅い程度の特徴があります。特徴的なのは、社会性に困難が見られ、ある限られたものに対して強いこだわりがあるという点です。一見すると「不器用」「自己中心」といった負の性格に誤解されがちです。こだわりが強いため、気になることはとことん追求したり、調べたりします。

レット症候群

ほぼ女児のみに発症するとても稀な難病の一つとされています。発症率は、女児1万~1万5000人に一人というとても稀な確率で発症します。乳児期のごく早い段階で発症すると言われています。ハイハイや言葉の発達が遅い、手の機能発達の遅延、手足が小さく、いつも冷たい、睡眠異常等、成長と共に段階を追って症状が進んでいきます。10歳以降の4期と言われる時期には、歩行困難、誤嚥、手足の萎縮といった症状が見られます。重症化すると、自分での歩行が困難になったりします。なお、名前の由来は、この病気を見つけた医師の名前からこのような名称となっています。

2)特異的発達障害

注意欠陥多動性障害(AD/HD)

『Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder』から、AD/HDと言われています。名前の通り、注意力の欠如、多動(多弁)衝動的に行動するといった特徴が見られます。近年、大人になって、社会人として仕事を始めてからこの障害を自覚するという人も多くいます。大事な予定を忘れる、仕事で決定的なミスをしてしまう、といった際、障害が見つかる例もあります。

学習障害(LD)

『 Learning DisordersまたはLearning Disabilities』の略でLDと言われています。知的障害(遅延)はほとんどありません。読む、書く、話す、聞く、以外にも計算をする、推測・推論といったものを含め、ある特定の学習行為に困難を伴います。例えば、「書く」といった行為が苦手だったりすると、授業中にノートを取ったり、会議でメモを取ったりする際、要点が理解できない状態になったりします。失読症(ディスレクシア)は、視覚や発声器官には異常がみられないが、文字を認識して声にすることができないという学習障害の一つです。

3)その他

主な発達障害は以上になりますが、その他にも次のような症状も発達障害の一つとされています。

トゥレット症候群

運動チックと音声チックとに分けられます。例えば、瞬きを多くする、首を頻繁に振る、突然、何度も奇声をあげるといった行為が頻繁に1年以上続き、チックの症状が重症化しているものをいいます。本人の意思に関係なく、無意識のうちに繰り返します。幼児期に瞬きが多いことがありますが、長期に渡って見られた場合のみ、該当します。一時的な症状であれば、該当しません。

吃音(症)(きつおん)

話始めに「ぼぼぼぼぼくは」や「ああああああのね」といった、繰り返しや、話の途中で言葉がつっかえてすぐに出て来ないような症状です。幼児期の話し始める時期に見られますが、一過性であれば発達過程に見られるものですので発達障害とは異なります。日常生活上の障害はなく、話し言葉だけに見られるため、幼少期は話し方をからかわれたり、大人になってからも、自分の話し方に自信を持てなくなるといった悩みがあります。

もしかしたら?と思ったら

発達障害は、物理的、身体的な特徴とは違いますので「周囲の人に受け入れられにくい人」と誤解されがちです。もしかしたら・・・、と思ったら次のチェックリストに当てはまるか、考えてみましょう。

チェックリスト

対人

  • 一人で過ごしたり、一人遊びが多い
  • おとなしい、受動的な行動が多い
  • 同じくらいの年齢の友達)(人)とのコミュニケーションが特に苦手
  • 落ち着いて人の話を聞くことが苦手
  • 一方的に話し続ける
  • 空気が読めない

集中・想像・推測力

  • 急な予定変更や、新しい環境に適応できない
  • 頭に浮かんだことをすぐに言葉にしてしまい、相手を傷つけたり不快な思いをさせてしまう
  • 自分の興味の対象以外は集中することができない
  • 忘れものが多い
  • 準備や片付けが苦手

生活

  • 偏食傾向
  • 音に敏感に反応する、大きな音(スタートのピストル音、クラッカー、雷など)が苦手
  • 手をつなぐことを嫌がる
  • 靴下を脱ぎたがる
  • 極度の怖がり
  • 一度興奮すると興奮状態が長く続く
  • 体に力が入らず、立ち続けることが苦手(床に寝転ぶ)

学習行動

  • 漢字は読めるがひらがなが苦手といった、学習の差が激しい
  • 絵が多い本が好きな一方、文字認識が苦手
  • 話しは流暢だが、手を動かすことが苦手

このように、発達障害の症状は、一見すると人に理解されにくい性格の一つと見られがちなものが多くあります。

発達障害をとりまく現状

発達障害という言葉は最近ではよく聞かれる言葉ですが、特に筆者のような40代以上の方にとっては聞き慣れない新しい言葉です。ただ、発達障害自体は、昔からあったものです。

1)昔と現在の認識の違い

筆者が小学生だった30年以上前、発達障害という言葉はまだそれほど認識がありませんでした。その認知度を大きく変化させたのは、2005年の「発達障害者支援法」の施行時です。それ以前は、知的障害者施策の一部分として扱われていた発達障害者への支援が、完全に独立して、法の一つとして施行されて以来、私たちの多くに認識されるようになりました。2005年以前は、知的障害者への支援のみということは、自閉症(スペクトラム)、アスペルガー症候群、学習障害といった知的障害の見られない発達障害は対象から外れていたということになります。

2)小中学校の発達障害児教育について

現在、多くの小中学校に、発達障害児のクラスが設けられています。特別支援教育の一環として、この環境ができてから、発達障害への認知度は飛躍的に高まりました。同時に、発達障害をもつ子供さん、またその家族もより支援を受けやすくなりました。結果、少しでも生きやすい社会になったことも施行前と大きく変わった点です。生徒数の多い小学校や、私立の小学校になると、症状別に縦割り(複数の学年を交えた)クラス編成になっていることもあります。ただ、健常児と完全に分けたカリキュラムではなく、行事や種類によって、健常児のクラスと一緒に活動をしたりします。障害への理解が高まるだけでなく、社会への適応能力、多種多様な社会への柔軟な姿勢も育てられます。

3)発達障害者支援法の大きな枠組み

この発達障害者支援法は2016年5月に改正をされ、現在では

発達障害者支援により、社会的障壁をなくす

ことが最大の目的(基本理念)とされています。この目的のために、教育、福祉、労働、医療といった横の連携を密にする、乳幼児期から高齢期までと幅広い支援を行う、教育面では個別の支援を重視する、国と自治体が連携して就労支援を行う、支援センターを充実させる、といったことが行われています。

4)大人になってから発達障害だと分かる人も

このように、発達障害者支援法が整備されたのは、ほんの10年ほどのことです。これ以前は、私たちの社会には発達障害という認識は薄かったため、大人になってから、生きづらさ、日常生活に困難がみられ、医療機関を受診して、初めて自分が発達障害だと認識するケースも見られるようになりました。

5)発達障がい者支援センター

発達障がい者支援センターは各都道府県、それに大きな自治体にあります。自分が住んでいる地域の最寄りの発達障がい者支援センターを利用します。学校や地域と連携して、学習、生活、就労の相談や支援を行っています。認定前の相談もできるため、もしかしたら?と思われる方も利用し、相談することができます。

6)発達障害の認定

発達障害の認定は、精神科で行われます。乳幼児の場合は、発達障がい者支援センターへまずは相談し、その後センターからの紹介で行くこともあります。精神科と聞くと、精神疾患と捉え、受診を躊躇する人も要るかもしれませんが、知的障害や精神障害と診断されれば、その後の公的支援により本人が生きやすい環境になると捉えれば、ハードルを下げることができるのではないでしょうか。

7)療育、特別支援教育について

幼児期であれば、まずは3歳児検診といった公的な検診で保健師さんと相談をする機会があります。公的機関から紹介された心理士等と面談の後、発達障害の有無が分かります。必要であれば、その後療育や特別支援教育といった手順を踏むことになります。

療育とは、障害児の医療的な育成です。「治療」+「教育」簡単に言うと、成長に合わせて、教育の場面や、最終的には就労に繋げるために、適応能力を育てる場となります。療育を公的機関で受けられる証明としては、療育手帳というものがあります。療育手帳を持っていれば、住んでいる自治体にある療育センターで無料、もしくは小額で療育を利用することができます。もし、自分が住んでいる自治体以外にある療育機関を利用したい場合は、それよりも高額になるケースがほとんどです。気になる方は、まずは住んでいる地域に療育センターがあるかどうかを探してみることから始めましょう。未就学児で、保育園や幼稚園(こども園)に通っているのであれば、幼稚園の先生、保育士さんと療育機関とが連携を取って、その子供にあった療育プログラムを準備します。

当事者にとっては、社会への適応能力の向上が挙げられますが、実は当事者以上に家族にも療育のメリットはあります。

相談できる人、機関ができる
同じ悩みを持つ親との交流ができる
対処方法を理解することによって精神的な負担の軽減
わずかな時間でも息抜きができる
一緒に成長できる

子育てについて自分一人で抱え込んでしまうのはとても危険です。子育ての悩みは、どんな親にもありますし、同じような性格を持った子供さんを持っている親なら、尚更、共感できることが沢山あるはずです。この悩みの共感が親としての最大のメリットと言えます。

では、実際の療育はどんなところでどんなことをするのでしょうか。

療育は、その施設によって、また、療育を受ける本人によってさまざまなスタイルがあります。少人数の場合もあれば、一対一の個人の場合もあります。回数は、週1、2回程度~月1、2回程度とこちらもさまざまです。療育を決める前も、療育中でも、気になること、心配事があれば相談をするのが一番です。カウンセラーの方もおられるので、一人で悩みを抱えず、できるだけいろんな情報を共有できるようにしておきましょう。

大人になってから、発達障害かもしれないと思った場合、発達障害の診断をしている医療機関を受診するところから始まります。診断の上、障害があると診断されると、療育手帳をもらいます。つまり大人になってからの診断でも、療育を受けることができます。ケースによっては処方箋が出され、飲み薬を併用することもあります。

8)発達障害を告白した芸能人・著名人

発達障害への認知度が上がってきた現在では、テレビにでる芸能人や、有名人、著名人の中でも、発達障害であることを告白する人が増えています。

栗原類さん(モデル)

栗原さんは、自身注意欠陥障害(ADD)であることをテレビで告白しました。しかし、栗原さんのお母さんは、障害を十分理解し、育ててくれたおかげで、しっかり社会に適応し、モデルとして活躍できるようになりました。栗原さんは、お母さんにとても感謝をしているそうです。

トム・クルーズさん(米国の映画俳優)

「トップガン」や「ミッションインポッシブル」といった数々のヒット映画の主演を努めているトム・クルーズさんは、自身が失読症と難読症であることを公表しています。子供の頃は、この症状に苦しみ、12年間で転校を繰り返し、15の学校に通った経験があるそうです。

スティーブン・スピルバーグさん(米国の映画監督)

「E.T.」や「インディジョーンズ」シリーズといった人気映画を数多く手がけてきたアメリカの映画監督、スティーブン・スピルバーグさんは、失読症を公表しています。彼が学習障害を診断されたのは、大人になってから、ごく最近のことです。

山下清さん(故人 画家)

故人ですが、驚異的な記憶力をもって、数々の名画(貼り絵)を残している山下清さん。その当時は発達障害という言葉も、それに対応する支援といったものもなかったので、はっきりとはいえませんが、山下さんは発達障害の中でもある特定の分野で、類まれな優れた才能や能力をもつサヴァン症候群だったと言われています。一度見た風景を貼り絵という特殊な分野で再現するというのは、その典型的な症状だったといえます。

芸能人や著名人がこのように自身の発達障害を公表するのは「発達障害を広く認知してほしい」「このような症状で苦しんでいる人たちが世の中にはいるということを知ってほしい」という思いがあります。事実、有名な人が公表することによって、注目を集め社会の中での認知度は確実に上がっています。

コミュニケーションを円滑に取るために

発達障害を理解されていない状況だと「やる気がない」「自分勝手」「わがまま」といった否定的な性格に理解されかねません。発達障害の人の気持ちを理解して、コミュニケーションを円滑にする方法としては、次のような方法が考えられます。

人混みや極端に大きな音がでるような環境を避ける

突発的な大きな音や慣れない環境、人混みといった場所は発達障害の人にはとても不快な環境です。できるだけ安心できる環境にしましょう。予め大きな音が出ると予測される場合は、ヘッドフォンを付けて音を軽減したり、お気に入りの音楽を流して気持ちを逸らせるという方法もあります。

言わなくてもわかるだろう、と思わない。

発達障害の人にとって空気を読むとか状況を判断するといったことは困難なことです。暗黙の了解で「このくらい言わなくても分かるだろう」と思わず、言葉で伝えるようにしましょう。

物事をはっきり分かりやすく伝える。

物事を伝える際は、できるだけ短く、分かりやすく伝えましょう。特に善悪に関することや、ルール、約束事は、はっきり伝えましょう。具体的にどうしたらよいのか、どうしてほしいのかを伝えるのもよいです。

予定の変更は、できるだけ事前に伝え、よく理解し安心してもらう。

急な予定の変更は、落ち着きをなくし、イライラやパニックが起こってしまうこともあります。相手が納得するまで、落ち着いて、しっかり伝え納得してもらうことで、予定の変更にできるだけ安心して対応することができます。

言葉で説明が難しい場合は、絵や写真といった視覚的な伝え方をする

言葉で伝えることが困難と感じた場合、伝えたいことを絵や写真を使って伝える方法が有効です。その場合、余分な情報が沢山載ったものは使わず、できるだけシンプルなものを選ぶようにしましょう。視覚的な方法は、発達障害がある人には早く伝え、記憶に残りやすいメリットがあります。

周囲の人は、温かい目で

発達障害がある人は、自分の意思とは関係なく、突然大声を出したり、パニックを起こしてしまいます。一度そのような状況になると、落ち着くまでにはある程度の時間が必要です。その間、周囲が怒って怒鳴ったりするのは、せっかく落ち着きかけた気持ちをまたパニックにさせてしまいます。周囲の人は、温かい目と気持ちを持っておきましょう。その時一番つらいのは、本人と家族なのですから。

長所と捉え生きやすい環境づくりを

発達障害と聞くと、マイナスなイメージばかりが浮かびそうですが、見方を変えることによって、私たちは発達障害の魅力や可能性を見ることができます。

1)長所を伸ばすか短所を消すか

発達障害は、適応能力や協調性、臨機応変といった方面からみると、困難なことが多く、障害=短所と捉えがちです。人は短所はなくし、長所を伸ばす方がよいと思いがちです。健常者にとっては、そうであっても、発達障害がある人には、この障害を完全に消して克服するということは非常に難しいものです。発達障害がある人にとっては、健常者のように、短所を消そうと考えるよりも、むしろ、短所の見方を変え、長所と捉え、その長所を伸ばそうと考える方が生きやすいといえます。

2)発達障害に見られる短所を長所として生かす

障害と言いますが、実は見方を変えるととても素晴らしい長所と言えます。例えばADHDの人は

こだわりが強い。気になることがあると執着する

という特徴があります。が、実はこの特徴、見方を変えると↓

興味を突き詰めるまで、根気強くとことん追求する

という長所にも捉えることができます。このような特徴を最大限に生かす職業と言えば、研究職などは、最適。また、データを収集して、解析するといった突き詰める職業はぴったりと言えます。

また、同じADHDの人が持つ

飽きっぽい、自分の興味があること以外は集中力が続かない

という一面でさえ、裏を返せば

「新しいものへの強い興味・好奇心、新しいものを見つけることが得意」

という長所へと変わり、常に新しいものを探し求めるという点では、バイヤーやキュレーターといった職業はぴったりです。

このように、発達障害の短所とされがちな物事、特徴をただ真正面から見て悲観的になる必要は全くなく、むしろ長所と捉えることによって、発達障害がある人たちの将来への可能性が見えやすくなります。

障害がある人、そしてその周りの家族にとって、『障害者の自立』は、人生最大の目標であり、最大の悩みでもあります。ただ、現代のように、多種多様な職業はいろんな特性を持つ人でも働きやすい環境とも言えます。また、仕事の仕方もさまざまです。必ずしも会社へ行き、大勢の社員と一緒に、同じ時間帯に働かなくてはいけないということもなく、その点でも、自由で柔軟な働き方が可能となっています。海外の大手企業では、発達障害がある人の最も苦手とされている接客の現場でも、個性を生かした働き方を用意して、積極的に雇用している現状もあります。日本の企業でも、少しずつではあるものの、そういった積極的な雇用が見られ始めています。この考え方がもっと広まれば、発達障害がある人でも、自分で働いて自活をすることが十分可能になります。まずは、発達障害がある人ひとりひとりの個性を見極め、生きやすい環境づくりを模索しながら、将来についてさまざまな可能性を持つことから始めましょう。

まとめ

一昔前と比べると、現代は多種多様な人たちや生き方ができるため、発達障害がある人にとって生きやすい世の中と言えるかもしれません。昔は、少しでも障害がある人が家系にいるだけで、家の中に閉じ込め、表を出歩くことを禁じていたくらいですから、人権もなにもあったものではありませんでした。兄弟の結婚に支障が出る、白い目で見られる、といった対外的な理由が主でした。家から一歩も出られず、家族からも人としての尊厳を奪われるような人生は、考えただけでもぞっとします。ただ今でも、発達障害がある人に対しての差別が全くなくなったとは言えません。この差別の根っこは、私たちが発達障害についての知識を十分持っていない、ということも要因の一つです。法が整備されて以降、教育現場での発達障害についての教育、障害への認知度もあがってきています。これからも私たちは、もっと深く発達障害について理解し、私たちの手で皆が住みやすい、生きやすい環境づくりをしていかなければなりませんね。

「障害」「障碍」「障がい」の違いについて

余談ですが、この記事を書く際、思ったことがあります。「ショウガイ」と言っても「障害」「障碍」「障がい」と3種類の書き方があります。この違いは一体何なのでしょうか・・・?

まず、意味からいくと、この3種類は現在のところ、同じ意味で用いられています。では、書き方はどうでしょうか?一般的には「ショウガイ」と書いてくださいと言われると「障害」と書く人が多いかもしれません。これがあくまでも一般的な”ショウガイ”です。ただ、近年、この「害」という感じから連想されるイメージが悪いということから「障がい」というように「がい」をひらがな表記で表す風潮が出てきました。これは時代の流れとも言えます。ただ、文部科学省(以下文科省)が出した「障害者支援法」では、漢字表記となっています。文科省の方針では、漢字とひらがな交じりの表記よりも、漢字のみでの表記に統一されているためです。他の例では「子ども」を「子供」と表記するなどがあります。一方「障碍」というのは、古来より仏教用語して用いられてきた表記です。ただ、この「碍」という漢字は私たちにはあまりなじみがないため、一般的には「障害」と表記しています。

障害は「もつ」なのか?「ある」なのか?

『障害をもつ』と『障害がある』

皆さんは、どちらの表現を使いますか?表現としては、どちらもアリのようにも見えます。これを文法的に砕いてみると、「持つ」は動作を表す動詞で「ある」は状態を表す動詞になります。更に、この二つの見方を教育的に分解すると「動作はすぐに止めることができる」が「状態はすぐには止められない」となります。そう考えると、「障害」は状態を表す「ある」が適していると考えられます。

実際、マスコミ向けの用語辞典の中にも『障害を持つ(人・子ども)という表現も、障害のある人が自分から障害を持ったわけではないので「障害の(が)ある ( 人・子ども )」と表現する配慮が必要だ。』とされています。(引用:記者ハンドブック)言葉は簡単に人の心を傷つけてしまいます。こういった言葉の配慮も、知識と同時に持っていきたいものですね。

日本語には、ひらがな、カタカナ、漢字と大きく3種類の文字があります。この「しょうがい」という言葉一つとっても、表記方法によってその言葉自体が持つ印象は大きく変わってくることが分かります。言葉の持つ力、そして言葉の持つ恐ろしさは、他の言語以上なのかもしれません。日ごろ何気なく使っている言葉にはとても大きな力があります。私たちのちょっとした配慮で、その大きな力をプラスに変えれば、住みやすくて生きやすい環境づくりが可能になるはずです。

著者情報

心と身体を鍛える空手の魅力にはまりそうな今日この頃です。

本記事は、2017年1月20日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。