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日焼けのケア、こんな薬を使うとなかったことにできる?!

2018年9月4日更新 | 2,689 views | お気に入り 28

日焼けのケア、こんな薬を使うとなかったことにできる!!
皆さんは日焼けと聞いて、どのようなものを想像しますか。
日焼け止めを塗らずに海で遊んだその晩、皮膚か赤く火照って、お風呂に入るとヒリヒリする感じでしょうか。もしくは、1~2週間後に皮膚が小麦色になって、皮膚がボロボロ剥けてくる感じを想像するでしょうか。前者をサンバーンと言い、後者をサンタンと言います。
それぞれについて詳しくみていきましょう。

日焼けは2種類

日焼けは2種類

(1)サンバーン

ひとことで言うと紫外線による皮膚の炎症です。日光皮膚炎とも言います。紫外線のうち波長の長さが中ぐらいの中波長紫外線(UV-B)によって生じます。紫外線が当たった皮膚が赤くなり(紅斑)ます。ひどい場合には水疱ができ、ヤケド(熱傷)と同じようになります。

症状としては他に発熱、ハレ、ヒリヒリした痛みなどがあります。UV-Bを浴びてから数時間で起き、症状のピークは12~24時間頃です。症状は数日間で徐々に改善し、それに引き続き、サンタンや肌荒れが出現します。

UV-Bは表皮や真皮の細胞を傷つけます。細胞の遺伝子も傷ついてしまうため、サンバーンを何度も受けると、皮膚がんの要因にもなってしまいます。
上述のようにサンバーンの症状そのものは、数日間で改善しますが、遺伝子の損傷は蓄積されてしまうこともあるため、注意しましょう。

(2)サンタン

ひとことで言うと紫外線による一時的な皮膚の色素沈着です。こちらは長波長紫外線(UV-A)によって生じます。ちなみに日焼けサロンのマシンもUV-Aを主に出しています。

日焼けをして1~2週間後に皮膚が小麦色になって、皮膚がボロボロ剥けてきます。小麦色になるのは、表皮の基底層にあるメラノサイトが、UV-Aに刺激されて、メラニン色素の産生を増やすためです。

日焼けはやけど?

前述した日焼けのうちサンバーンは全てがやけどと言う訳ではありませんが、程度が著しいとやけどになります。
ただ単にうっすらと赤みがあるだけでヒリヒリ感がなければ、やけどには至っていません。赤みにヒリヒリ感があれば、それはⅠ度熱傷(表皮のやけど)です。水ぶくれ(水疱)がみられるようならそれはⅡ度熱傷(表皮までではなく、真皮までいったやけど)です。
やけどの場合には当然、後述するような治療が必要となります。

日焼け後に使う薬

(1)軟膏、ローション

リンデロンVG軟膏

著者撮影

まずサンバーンの場合についてですが、炎症の程度が著しい場合にはステロイドを用います。医療機関を受診するとリンデロンV軟膏やリンデロンVG軟膏などが処方されます。ステロイド軟膏・ローションは誤った使い方をすると副作用を起こすことがあるため、医師・薬剤師の説明通りに使い、いたずらに長期間使用するのは避けるべきです。

市販のものですとオイラックスPZリペアクリーム、フルコートfなどがあります。炎症がそこまで著しくない場合には炎症を抑えるはたらきを持つ酸化亜鉛を含んだパンパス軟膏が市販されています。

ヘパリン類似物質

著者撮影

次にサンタンの場合についてです。サンバーンの赤みがなくなって、かさかさと乾燥した部分にヘパリン類似物質(処方薬だとヒルドイドなど、市販のものだとヘパソフトやマーカムHPなど)を用います。保湿剤としての性質と、皮膚の血行を改善し皮膚の入れ替えを促進する性質とがあります。皮がベロンと剥けて湿った部分が出ている部分には、しみるので用いません。

軟膏は眼や口以外のあらゆる部位に使用可能です。ローションは軟膏よりべとつき感がなく、頭髪部位などに使用します。

(2)飲み薬

飲み薬

著者撮影

サンバーンでヒリヒリした痛みが強い場合には、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)といって、ロキソプロフェン(ロキソニンなど)やイブプロフェン(イブなど)を数時間置きに飲むと症状を改善できる場合があります。

ただし気を付けたいのは、脱水状態がある場合、これらを飲むと、腎障害を起こしてしまう可能性があります。脱水状態がある場合には、まずはその改善を優先します。ロキソプロフェンやイブプロフェンは医療機関で処方される薬ですが、OTC医薬品として処方箋がなくても薬局で購入できます。

またサンバーンに引き続いて起こるサンタンを最小限に抑えたり、日焼けによるシミを予防する目的で、日焼け直後からビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸などを内服する方法もあります。

ただし気を付けたいのは、トラネキサム酸は誰しもが飲んでよい訳ではないのです。喫煙者やピルを飲んでいる方、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの血栓ができやすい持病がある方は飲まない方が良いでしょう。脱水状態がある場合も飲まない方が良いでしょう。

ビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸は医療機関で処方される薬ですが、ビタミンCとビタミンEについてはOTC医薬品として処方箋がなくても薬局で購入できます。トラネキサム酸単体のOTC医薬品はありませんが、トラネキサム酸を含むOTC医薬品(トランシーノⅡなど)はあります。

薬ではなくサプリメントである飲む日焼け止めが近年、流行しています。これらについては後述します。

(3)日焼けケア用品

ここでは日焼けした後のケア、すなわちアフターサンケア用品について述べます。様々な種類があり、どれを選べばよいのかわかりにくいかと思います。

基本的にはサンバーンの炎症を抑えるもの、保湿するもの、サンタンを抑えるものに分けて考えると良いでしょう。以下のものは医療機関ではなく、薬局などで購入できます。

サンバーンの炎症を抑えるためにグリチルリチン酸ジカリウム(メンソレータム ヒヤケア 日焼け用薬用ローション ロート製薬 など)やアロエ成分(ベラリス エーザイ など)が含まれているものがあります。また火照った感覚を和らげるためにメントール(コパトーン アフターサンオイルフリージェル 大正製薬 など)が含まれているものもあります。
サンバーンの炎症を抑えるタイプのアフターサンケア用品は、保湿成分が含まれていることが多いです。
気を付けたいのはヒリヒリした痛みが強い場合には、エタノールを含むものはかえって痛みを強く感じてしまう場合もあるということです。そのような場合にはエタノールを含まないものを選んだ方が良いです。
保湿に重きをおいたものはセラミドやグリセリン、アミノ酸などを含んでいます。ナチュリア ハトムギ保湿ジェルなどがあります。

サンタンを抑えるものはビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体を含んだものがあります。日焼けをしてから約72時間後から、シミやスキントーンが黒くなる原因であるメラニン色素の産生が始まりますので、できるだけ早くにサンタンを抑えるケアを始めたいところですが、サンバーンで火照りがある状態では、ビタミンC誘導体は少し刺激感を感じることがあります。火照りが落ち着いてから使用した方が良いでしょう。

日焼け後にできるセルフケア

日焼け後にできるセルフケア

(1)冷やす

サンバーンの炎症を抑えるために火照った部分を冷やしましょう。冷たい水のシャワーを浴びたり、アイスパックを使用します。

(2)保湿

保湿化粧水をたっぷり使います。日焼け直後は皮膚のバリア機能が落ちているため、刺激の少ない敏感肌用を用いた方が良いです。前述しましたがビタミンC誘導体は火照った状態では刺激感が強い場合があるので、直後は含まれないものの方が良いかもしれません。

コットンでのパッティングは、皮膚に摩擦を与え、色素沈着の原因になるため、コットンは用いず、手で行った方が良いです。
保湿化粧水のみでは水分は直ぐに蒸発してしまいますので、引き続き、乳液もしくはクリームで、しっかりと水分に蓋をしましょう。

(3)水分補給

日焼けをした後は体内が脱水傾向にあります。理由としては炎天下で気温が高く、発汗によって水分が失われるため、皮膚の水分を保持するバリア機能が紫外線によって低下するためです。特に発汗が多くあった際には熱中症を防ぐ観点からも水分補給は重要になってきます。

水だけで水分摂取すると体内のミネラルが薄くなることがあるため、水のみならずスポーツドリンクも適宜組み合わせて摂取すると良いでしょう。暑い時はキンキンに冷えた飲み物が欲しくなりますが、冷えたものは胃腸の機能を低下させてしまいます。体のことを考えると、できれば常温に近い飲み物の方が良いでしょう。

(4)唇の日焼けはどうする?

唇は他の部位の皮膚に比べてとてもデリケートです。通常皮膚に備わっていてバリアの働きをしている皮脂膜がありませんし、角質層も薄いためです。唇はメラニン色素の分布が少ない部分ですが、全くない訳ではないので、日焼けによってシミができることもあります。

日焼け後のケアからちょっと話がそれますが、お顔には日焼け止めを塗っていても、唇には塗らないことが多いと思いますし、顔用の日焼け止めを唇に塗ると、唇にトラブルが起きることもあります。唇にはUVカット効果のあるリップクリームを使うと良いです。

UVカット効果のあるリップクリームを使っていても、唇の紫外線ダメージをゼロにすることはできないので、日焼け後にはケアします。
唇の日焼けも、皮膚同様まずは冷やします。氷または保冷剤をハンカチやガーゼでくるんでから10~20分冷やします。その後、白色ワセリンを塗り、水分の蒸発を防ぎます。唇はデリケートな部分ですが、ダメージを受けた場合でも回復が早いです。回復するまでは辛い物の飲食は避けましょう。

日焼けのリスクについて考えよう!

(1)皮膚がん

UV-Bは表皮の細胞を傷つけます。細胞の遺伝子も傷ついてしまい、繰り返すと遺伝子に突然変異が起き、皮膚がんが発生してしまうことがあります。従来は皮膚がんはUV-Bに長期間暴露したことで起きると考えられていましたが、UV-Aのなかにも皮膚がんを引き起こす波長の紫外線が含まれています。

日光にあたらずして小麦色に焼けた肌を手に入れるため日焼けサロンに通う方もいます。かくいう私も20年近く前に通っていた時期がありました。日焼けマシンはUV-Aをメインにしているから安全であるという考えもありますが、UV-Bも含むマシンもあります。また前述の如くUV-BのみならずUV-Aの一部も皮膚がんを引き起こし得ます。実際に人工的な日焼けでもメラノーマ(皮膚がんの一種)の発症リスクが高くなるとの報告もあります。そのため、日光はもちろんのこと日焼けマシンによる日焼けも避けた方が賢明です。

(2)目の病気

急性の障害と慢性の障害に分かれます。
まず急性の障害はUV-Bで起こります。あくまで一過性のものですが、結膜が充血したり、眼の乾いた感じが強かったり、また逆に涙が止まらなかったりといった症状がでます。
慢性の障害は、UV-Aで起こります。水晶体というレンズの働きをしている部分が白く濁ってしまう白内障などがあります。

また目からの紫外線は目の病気だけでなく、皮膚を黒くしてしまいます。目からの紫外線の刺激が、脳を介して、皮膚にメラニン色素を増産するように働きかけてしまうからです。目の健康面でも美肌のためにもサングラスやUVカット効果のあるメガネを使用したいものです。

日焼けをしないためには予防がいちばん

日焼けをしないためには予防がいちばん

(1)普段から摂取しておいた方がいい成分

日焼けによる紫外線暴露は、皮膚(皮膚だけではなく、目にもです)にストレスを加えます。このストレスは、チロシンというアミノ酸を酸化させ、シミなどの原因であるメラニン色素を増産します。
ですので普段の食生活では酸化を抑える抗酸化物質を摂るとよいです。ビタミンA、C、Eなどを含む野菜や果物を摂るように心がけると良いです。日差しが強い地域で育った野菜や果物の方が、より抗酸化物質を含むとの報告もあります。

(2)日焼け止め対策

一番重要なのは紫外線を浴びないということです。とは言っても日常生活において紫外線を全く浴びないのは不可能です。可能な限り浴びないようにする方法をいくつかみていきましょう。

①日傘
②帽子、サンバイザー
③アームカバー

最近は男性でも日傘をさす方もいるようです。とは言ってもまだそこまで一般的ではないですし、気恥ずかしいかもしれませんね。上に挙げたのは実際には女性向けです。男女共に実践できることとしては、日焼け止めです。

日焼け止めには塗る日焼け止めと、飲む日焼け止めがありますが、塗る日焼け止めの方が重要です。飲む日焼け止めは、決して塗る日焼け止めの代わりではなく、塗る日焼け止めの効果を補うものと捉えましょう。  

日焼け止め

著者撮影

塗る日焼け止めはSPF、PAを気にされる方が多いかと思います。もちろんこれらを気にすることも大切ですが、最も大切なことは、適切な量をしっかり塗れているかどうかです。しっかり塗れていないといくらSPFの高いものでも効果を得られません。

諸説ありますが、顔でしたら液状のものを硬貨と同じ位の大きさに取り、それを重ね塗りします。クリーム状のものですとパール2粒分を使います。腕ですと片腕で顔の2~2.5倍の量を用います。朝に一度塗っても時間の経過と共に汗で落ちたりしますので、3時間ほどしたら塗り直しましょう。

飲む日焼け止めが近年流行してい

著者撮影

飲む日焼け止めが近年流行しています。効果の持続が数時間のものから24時間のものまであります。数時間しか持続しないものでしたら、塗り直しならぬ飲み直しが必要となります。24時間持つものでしたら1日1回飲むので良いでしょう。

まとめ

結論から言ってしまうと、表題には【日焼けのケア、こんな薬を使うとなかったことにできる!!】とありますが、日焼けをしないに越したことはありません。日焼けをしないよう様々な対策をしていても、外に出る以上、浴びる紫外線をゼロにすることはできません。そうした際に、本稿での日焼け後のケアを参考にして頂けましたら幸いです。

著者情報

美容外科医・美容皮膚科医 品川スキンクリニック表参道院 院長

本記事は、2018年9月4日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。